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土地利用の具体的な方法として、条例は、自治会の代表者、土地の所有者などによってある地域に「まちづくり計画」ができたときには、市長は「まちづくり計画協定」を結び、「特別計画協定地域」に指定する。 この区域内では、土地の賃貸や売買、建築物などの新築や増築、用途の変更、土石の採取または鉱物の採掘、木や竹の伐採については、届け出が必要になる。
市長は受けて、その内容が「まちづくり計画協定」に適合しないと判断した場合には、その土地の売買などの契約の中止などを助言または勧告できる仕組みになっている。 都市やその中身の住宅や土地を包括的に、また直接的にあつかった「まちづくり条例」は、全国で百をこえているとみられている。
千以上ある地の指導要綱のほかに、それだけ自治体がこうした問題で悩み、少しでも事態の悪化を防ぎ、改善しようと模索する姿が浮き彫りになっている。 自治体の限界自治体のできることには限界がある。
象徴的な例が湯布院町の「潤いのある町づくり条例」だ。 町当局は、初め都市計画法や建築基準法より厳しい高さ制限を定めたうえ、開発には近隣関係者の同意書が必要という条項も盛り込もうとした。
事業者ばかりでなく、住民自身も自ら開発をおこなう場合には対象になるこうした規制にたいし、住民の多くも、議会も支持を表明していた。 知った建設省がブレーキをかけた。
三度にわたって上京した町の職員にたいして、建設省側は「都市計画法や建築基準法の範囲をこえた規制は認めない」の一点張りで強硬な態度だったという。 やむをえず町当局は、条例案から高さの制限など、国の法律をこえる規制をはずして、強制力のない指導要綱とし、その要綱には電気や水道の供給拒否などの制裁措置は盛り込まなかった。
また、これも建設省が強硬に横槍をいれた「住民の同意書」については、「近隣関係者の充分な理解を得るものとする」とトーンダウンして条例に残っている。 住民の同意書は開発負担金などとならんで、建設・不動産業界ばかりでなく規制緩和を求める財界に激しく攻撃されたものだ。

鉄の三角地帯の利益を代弁する建設省の影は、自治体を陰に陽に萎縮させている。 山陰海岸国立公園を町内にもつ京都府久美浜町は、都市計画区域外にあり、土地の利用を計画するにも自然公園法しか武器がない。
このため、町は独自に厳しい土地利用を盛り込んだ条例づくりを考え、制裁措置などの強制力をもたせることも検討した。 条例の具体的な案文づくりの段階で相談した建設省や同省の意向をつたえる府の強い姿勢から、一九九二年十月一日に施行された「きれいな町づくり条例」は骨抜きになった。
内容も具体的な開発規制ではなく、抽象的な景観の保全をうたうことにとどまり、制裁措置もなく事業者にたいする指導と助言になっている。 全国地の「まちづくり条例」に抽象的な条項が多いのは、直接、間接の建設省の介入があるからだ。
ある関東地方の町が、リゾート・マンションや別荘の乱開発で町の財政は破綻寸前、景観はずたずたに破壊される事態に追い込まれ、町と町民を守る目的で「まちづくり条例」の草案を県に提出した。 ところが、建設省に縛られている県当局は草案に対して都市計画法や建築基準法の条項を一々あげて、これらの法律の範囲をこえる規制には赤インクで拒否の意向を伝えてきた。
草案は真っ赤になっていた。 立ち塞がる裁判所自治体の前に立ちはだかるのは建設省ばかりではない。
要綱ばかりでなく、条例にたいしても下級審の裁判所まで否定的になっている傾向がはっきりしてきた。 明らかに、「東京都中谷本店事件」とよばれる、建築確認の留保をめぐる裁判で、一九八五年七月十六日に最高裁が下した判決が、判例として下級審をしばっているからだ。

この判決の核心は「建築確認の留保が認められるのは事業者の任意の協力、服従があるときにかぎられる」という厳格な法治主義である。 つまり、事業者が任意に協力しなければ、国の法律にのっていない規制はいくら自治体が必要としていてもダメだ、というものだ。
条例をめぐって、すでに一つの判決がでている。 東京の建設業者が一九九○年七月に、山梨県高根町のJR小海線の清里駅近くに、高さ二十メートル、七階建てのリゾート・マンションを計画した。
当時の高根町の開発指導要綱では、高さの制限は二十メートルで、この計画は要綱に合致していた。 高根町は同年十月、めぐまれた自然との調和を考え、高さの規制を十三メートル以下に変更し、この業者に計画の変更を申し入れた。
業者は「それでは採算がとれない」として、一九九一年三月、山梨県に建築確認を申請したが、建築確認が下りないとして、甲府地裁に提訴した。 裁判で、原告側は「県が法的な強制力のない町の指導要綱や県の景観条例を理由に、申請を受理してから二十一日間のうちに審査し、その結果を通知しなければならないとした建築基準法を無視して、確認をしないのは違法だ」と主張した。
これにたいし、県側は、申請そのものが「業者が一方的にだしてきたもので、正式には受理していない」と主張。 そのうえで、「高さ二十メートルのリゾート・マンションは清里高原の景観を損なう。
マンションは百四十八戸もあり、給排水、ゴミ処理などで問題がある」と反論していた。 一九九二年二月二十四日に開かれた判決公判で、甲府地裁は「(景観条例などにもとづく)県の行政指導に対して建設会社が不協力だったとしても、社会正義に反する特別な事情に当たるとはいえず、県の留保は違法」と断じた。
最高裁の判決に完全にしたがったもので、裁判所のいう社会正義とは何かという疑問を抱かせる判決だ。 最高裁の壁をみてとった県は一九九二年三月九日、控訴の断念を発表した。
「上乗せ」と「横出し」こうした条例は、土地騰貴、住宅事情の悪化、乱開発といった地域の深刻化する問題を解決するために新たな武器として制定されている。 ほかの先進国にくらべると、日本の法この理論を自治体側からみたのが地方自治法第二条三項である。

その十八号は「法律の定めるところにより、建築物の構造、設備、敷地及び周密度、空地地区、住居、商業、工業その他住民の業態に基づく地域等に関し制限を設ける」とし、十九号は「法律の定めるところにより、地方公共の目的のために動産及び不動産を使用又は収用する」となっている。 支配的な法解釈では、この「法律の定めるところにより」の部分は国会が定める法律だけだと狭く解釈し、地方自治体の議会が定める条例は含まないとされてきた。
逆からいうと、地方自治体が定められるのは、法律の空白部分だけということになる。 たとえば、国の法律が制定された当時、社会問題とされていなかった公害問題について、おきた自治体が住民の生活や生命を守るために「公害条例」をつくるのがその例である。
法律による排水・排気などに規制がまだないため、そうした条例は法律に「抵触」しないことになる。 体制のもとでは、自治体の権限は極端に小さい。
条例を制定するにも大きな制約がある。 憲法第二十九条や民法第二百六条では、土地所有権にたいする制限は法律によるとされている。

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